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豊橋技術科学大学 合格体験記

最初に少しだけ。

高専生の技科大への評価は低いようですが(自分の高専だと先生にも余裕だと思われているといった印象を受けました)

今年の情報知能課程の出願者は確か162人でした。

うち当日試験を受けた人数は100~120人ほど居ました。

(試験が3部屋に分かれていて自分の部屋以外はチラッとしか見ていないので正確な人数は不明です)

合格した人数は65人前後でした。ひっくり返せば30~50人くらいは落ちている訳です。

編入生の受け皿って言えるほど楽勝なのかは疑問です。合格者の中には上位国立レベルの人も居ると思われます。

勿論編入試験の難易度で言えば低い方なのは事実ですが探せば定員割れしてる地方国立もある中で「技科大が最弱で技科大なら受かるだろう」って認識なら見直した方がいいと思い

ます。

旅行感覚でもいいのでもう少し色々な地域の大学編入を調べてみて下さい。「最悪の場合そこに行く」と納得できるところを見つけて滑り止めを決定した方がいいと思います。

高専によっては専攻科の道もあるようですが自分が通っている高専では推薦・一般共に試験は6月で終了してしまいます。

 

ということで出来るだけ常識と言って片づけない程度に書きます。

飛ばし飛ばしで読んで下さい。

 

・国語(60分・100点)

例年の構成としては大問3つで

・長文1問

・慣用句1問

・四字熟語1問

といった感じです。去年だかが長文が2問になった年がありました。

長文2つは見直しや精査の時間も考えると意外とキツイので問題が配られたら一応構成はチェックしておくべきです。

長文の難易度は長さを除いて独自作成校の高校入試よりは共通の高校入試の問題に近いです。選択肢にいやらしさが無いです。

大抵の人は中学3年生の受験勉強でそこそこやったと思うので問題ないのでしょうが

一部推薦で抜けたとかで殆ど国語の長文やったことなかった、って人も居たには居たので

そういった場合は中学生の時のテキストと過去問をたくさん解いて慣れておけばいいと思います。こればっかりはルールとかパターンじゃなくて経験の問題なので・・・

 

同様に慣用句、四字熟語に今まで全然触れてこなかったって人は

慣用句と四字熟語の辞典を読んだらいいです。

といっても小学生向けの漫画付きとかの本で十分です。勉強としてやるのではなく勉強の休憩に娯楽感覚で読むくらいの。

自分は小学生のころ4コマ漫画付の本読んでいましたがその言葉を使う場面付きで描いてあって面白かったのでそれで今も覚えているって感じです。

過去問を5~6年解きましたが9~10割安定して取れてました。

難易度の話してしまうと結局は「そのくらい」ですね・・・

 

今年の出来も多少厳しめに見ても9割は取れたと思います。

国語は波がない教科なので出来ると安心です。逆に安心して合格狙うなら8割は切れない教科でもあると思います。

 

 

・英語(90分・150点)

例年細かいところがちょこちょこ変わるのですが大体の構成は大問5つほどで

・長文1問

・空語補充、同義語、並び替え(昔はここで10行程度の短文が出た年もある)3問程度

・リスニング1問

といったところです。英語はどう勉強していいかわからないって人もいると思うのですが

例年TOEICで知っておくべき表現や単語・文法の問題が出ます。

勿論多少は高校入試で使う表現やそれ以上の問題も入っていますが

「何に手を付けたらいいか分からない!」ってくらいならとりあえずTOEICの勉強すればいいと思います。

TOEICスコアで英語をパスできる編入試験は滑り止めの国立から上位の国立(中には旧帝も)まで幅広くあり英語が多少苦手でももっと上の大学を目指せたり滑り止めの負担を減らしたりよりよい受験プランに繋げられるかもしれません。

長文はトピックセンテンス?のルールに従って各段落の1番最初に大事なことを書くのですが

技科大は特にそれが分かりやすく出来ており「冒頭の一文」を読めればまず内容が理解できるようになってます。

今年ですと「何故海水には塩があるのか?」とかそんな感じでした。

過去問も毎年そのようにできていたかと思います。

最初の段落くらいまで読んで内容が理解できたら後は問題文に目を通し対応する部分を

探していけば問題ないです。技科大の英語は基本としては良問です。

ただ異常に読み辛いです。メモ帳に全角英語を書いたような感じでアルファベット間の間隔も独特です。単語区切りもちょっと分かりにくい。

リスニングは60分から15分あります。自分が試験を受けた部屋では音質・音量共に普通でした。

これもTOEICのリスニングやってればまず問題ない難易度ですが

多少分からなくても最初に印刷されてる選択肢を読んでおけば

「選択肢のうち英文で出てきた単語は1つだけ」でその1つがそのまま答えって問題もあったのでとりあえず単語が聞きとれたら意味が理解できなくても何とかなります。

 

あと自分も初めて体験したことなのですが

英語の解答用紙配られたときリスニングの解答用紙が入ってませんでした。試験監督に聞いて替えてもらうまでに少し時間がかかりました。

リスニングあるということを知らなかったら気づかず解いてしまってもおかしくありませ

ん。

滑り止めだろうと募集要項やらで試験形態はよく確認しておきましょう。

 

出来は8.5割くらいだと思います。

試験会場で3~4割くらいしかできなかったとか話も出てたのでここで大問1個くらいの差がついてるかもしれません。

英語は合否につながるかと。

 

応用数学(60分・100点)

例年は微積極値・行列・連立方程式・確率あたりから3題ですが

今年は集合演算が一部入りました。分野でいうと確率に近い(場合の数を数えたり)ので確率に含まれました。滑り止めで確率やらなかった人は救われたと思います。

・xとyをパラメータtで表した式の微分極値積分

意外と難しい方かも。dy^2/dx^2はx(t)とy(t)を2回ずつ微分すればいい訳ではないです。試験後に会場で聞こえて「あぁ・・・」ってなったので。

あとは定石に従って手を動かすだけで答えにたどり着く問題でした。

・行列の和積・4次の行列式・ベクトルの大きさ・内積(全部一桁の定数)

行列の和積は応用数学どころか数学ですらなく算数です。行列A+BやABを解くだけです。行列の足し算かけ算が出来ないのはさすがに技科大入れる入れないとかの問題じゃないかと。ベクトルの内積、ノルムも一桁のかけ算と平方根を使うだけで逆に不安になるレベルで6問中4問がこんなんでした。

最後が連立方程式でしたがこれは例年の行列を行基本変形してガウスジョルダンの方法で解くだけの問題よりは難しくなっていました。

・確率 (集合演算、事後確率、クラスを区別する場合しない場合それぞれのクラス分けのパターンの数)

多分初の集合演算は階乗、nPk、nCkなどの基本と集合の要素数でした。

事後確率はベイズの定理で解くのにそこそこ時間がかかります。ここも後で事前確率の解き方してる声が聞こえて「あぁ・・・」ってなりました。

確率はもともと過去問で出たのと総当たりを全部数えてゴリ押しで解くの以外は捨てていたのでうろ覚えの最後は捨てて他の問題の解の導出を記述するのに使いました。

多分技科大でも部分点は入ると思うので。

今年はとても差がつく内容ではなかったと思います。出来は8〜9割ほどで周りもそのくらいだと思います。

数学はあまり武器にはならないかと。

 

専門(90分150点)

情報を選択しました。

情報は例年

・数学?1問

・プログラム1問

論理回路1問

です。数学に関してはなぜ入ってるのかよくわかりません。ただ難易度が高めです。

今年は二項定理でかなりの難易度です。上位国立レベルでも完答は難しいような。自分は問題の解釈を間違えて部分点のみの1割くらいしかできませんでした。0点は回避した程度です。

高校入試の頃は滑り止めの併願の学校長に「基本受かるけど大問の0点だけは作らないでね」と言われましたが大学編入ではどうなんでしょうね・・・琉球大だかが科目の0点は不合格にする、は見たことあります。部分点だけでも一応0点は避けておいたほうが無難かもしれません、編入試験は謎の部分も多く何故落ちたかわからないとかいうケースもあるので。まあ真実は闇の中ですが

プログラムは油売り算という例年に比べるとマイナーで取り組みにくい問題でした。例年ソートや探索、スタックやリストが教科書の例題そのままに出ていたのですが今年は自分でアルゴリズムに気づく必要があったかと。

論理回路は例年通りでNANDのみで表したり式を簡単化したり程度です。カルノー図とEX-OR、ド・モルガンのまとめ方あたりが覚えられていれば十分です。

 

最初がほとんど点取れてなかったので6〜7割です。例年9割は取れてたので少し焦りました。

 

感想

ここまでをまとめて振り返ると「難しくはないけど、侮れない問題は混じっている」と思いました。どうせみんな解けてない精神もいいのですがそれでも最後は合否が分かれているのですし。

受験プランとして大雑把にランク分けすると

第一希望(行きたいところ・レベルの高いところ)

第二希望(どう転ぶかわからないところ、ここなら十分胸を張っていけるかなというところや上位の人の妥協点)

第三希望(本命や対抗よりは下の十分受かる可能性のあるところや受験時期が早く慣れで受けるところ)

第四希望(絶対落とせないところ)

って感じかなあと思うのですが、技科大は3〜4希望として特に良いと思います。

人によっては第一第二希望にもなるでしょうが国立大学を複数受けられるというのはチャ

ンスですので一校くらいはチャレンジしてもいい気がします。

学力で進学先を決めるなら無難に留まりすぎず無謀すぎる賭けもせず色々なレベルにチャレンジして一番良いとこに行ったらいいんじゃないかと思います。自分も反省している点なので・・・

勿論受験科目と出題分野は注意した方がいいです。

 

豊橋は設備や分野は中々充実していたと感じました。当日会場に行った時は掲示板にTOEIC550点を目指す講義など一般教養の補助も色々貼ってありました。当人の努力次第ではかなりためになる勉強ができる環境だと思います。反面講義が多く春休みも1〜2週間くらいしか無いらしい?とキツいところもありそうです。あとは新幹線止まるわりにちょっと外れただけですごく田舎になります。

 

学力のあるなしに関わらず学びたい意思があるのに大学進学を諦める事が一番勿体無いと思うのでしっかりと技科大やその他滑り止めの合格は確実にゲットしましょう。